謎解き 村上春樹(感想・考察・書評)    (ネタバレあり)

村上春樹作品の謎解き(感想・考察・書評)(ネタバレあり)

謎解き 村上春樹(感想・考察・書評) 目次

☆『騎士団長殺し』への質問は、村上春樹『騎士団長殺し』読了。までお願いします。 ☆☆目次☆ ☆ *激しくネタバレしています。ご注意願います。 ☆はじめに~「村上春樹はどこが面白いんだ?」 ☆「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は推理小説である…

『ねむり』書評

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしていますので、ご注意願います。 村上春樹『ねむり』新潮社、2010年を読了しました。(以下は、1989年「文學界」初出のものではなく、2010年改版…

村上春樹的多元宇宙

☆目次に戻る はじめに~「村上春樹はどこが面白いんだ?」で書いたように、村上春樹作品は「多義的な解釈を許す」ものです。当ブログ「謎解き村上春樹」で書いた解釈は、筆者の一面的な解釈であり、これが唯一無二の解釈という訳でもなく、他の方の解釈を否…

「1Q84」書評 目次

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) ☆「1Q84」書評 目次 書評①~「大きな物語」と「小さな物語」 書評②~ビッグ・ブラザーとリトル・ピープルと反リトル・ピープル 書評③~Q&A

「1Q84」書評③~Q&A

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (「1Q84」書評 目次 に戻る) 書評②に戻る *激しくネタバレしています。ご注意願います。 *謎の多い小説ですので、この小説の疑問点がありましたら、是非コメント欄にご質…

「1Q84」書評②~ビッグ・ブラザーとリトル・ピープルと反リトル・ピープル

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (「1Q84」書評 目次 に戻る) 書評①に戻る *激しくネタバレしています。ご注意願います。 この小説で重要な概念として、ビッグ・ブラザーとリトル・ピープルと反リトル・ピ…

「1Q84」書評①~「大きな物語」と「小さな物語」

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (「1Q84」書評 目次 に戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。『ねじまき鳥クロニクル』への言及があります。 それでは、『1Q84』の書評を始めます。 こ…

短編集「女のいない男たち」感想 目次

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 ☆☆短編集「女のいない男たち」感想 目次☆☆ ☆「ドライブ・マイ・カー」の続きを勝手に想像してみる ☆「イエスタデイ」感想 ☆「独立…

「女のいない男たち」感想

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (短編集「女のいない男たち」感想 目次)に戻る *激しくネタバレしています。ご注意願います。 村上春樹『女のいない男たち』所収の表題作「女のいない男たち」を読了しました…

「シェエラザード」感想

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (短編集「女のいない男たち」感想 目次)に戻る *激しくネタバレしています。ご注意願います。 村上春樹『女のいない男たち』(文藝春秋)所収「シェエラザード」を読了しまし…

「独立器官」感想

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (短編集「女のいない男たち」感想 目次)に戻る *激しくネタバレしています。ご注意願います。 文藝春秋2014年3月号に掲載された、村上春樹「独立器官」の感想を以下に書きまし…

「木野」感想

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (短編集「女のいない男たち」感想 目次)に戻る *激しくネタバレしています。ご注意願います。 遅ればせながら、文藝春秋2014年2月号に掲載された、村上春樹「木野」の感想を以…

「イエスタデイ」感想

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (短編集「女のいない男たち」感想 目次)に戻る *激しくネタバレしています。ご注意願います。「ノルウェイの森」へのネタバレ言及があります。 文藝春秋2014年1月号に掲載され…

「ドライブ・マイ・カー」の続きを勝手に想像してみる

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページ(「アフターダーク」書評)に戻る) (短編集「女のいない男たち」感想 目次)に戻る *激しくネタバレしています。ご注意願います。 遅ればせながら、文藝春秋2013…

「アフターダーク」書評

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」への言及があります。 それでは、「アフターダーク」の書評を始めます…

「海辺のカフカ」書評 目次

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 ☆「海辺のカフカ」書評 目次 書評① 1.カフカくん 書評② 2.佐伯さん 3.大島さん 書評③ 4.「ジョニー・ウォーカー」 5.ナ…

「海辺のカフカ」書評④

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 8.「呪い」をくぐり抜ける (1)「夢の中で責任が始まる」 この小説では夢や想像力が重視されます。大島…

「海辺のカフカ」書評③

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 4.「ジョニー・ウォーカー」 この小説の「根源的な悪」は、「ジョニー・ウォーカー」です。「悪」は、田…

「海辺のカフカ」書評②

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 2.佐伯さん 「ノルウェイの森」、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」へのネタバレを含む言…

「海辺のカフカ」書評①

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 それでは、「海辺のカフカ」の書評を始めます。 1.カフカくん「羊をめぐる冒険」へのネタバレを含む言及…

「スプートニクの恋人」書評②~「欠落部分」を想像する

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページ(「スプートニクの恋人」書評①)に戻る) *激しくネタバレしています。「ねじまき鳥クロニクル」への言及があります。 それでは、今回はこの小説の「欠落部分」は…

「スプートニクの恋人」書評①

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページ(「ねじまき鳥クロニクル」書評 目次)に戻る) *激しくネタバレしています。「ノルウェイの森」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」への言及がありま…

「ねじまき鳥クロニクル」書評 目次

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 ☆「ねじまき鳥クロニクル」書評 目次 書評① 1.妻が去る2.無意識世界の戦場・井戸3.ねじ緩め鳥(ボリス・ワタヤノボル)4.…

「ねじまき鳥クロニクル」書評⑥

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 18.暴力、根源的な悪との対決 208号室で主人公が殴り殺したのは、「悪」そのものであって「ワタヤノ…

「ねじまき鳥クロニクル」書評⑤

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 15.「ねじまき鳥クロニクル」、シナモン、語り部 この小説の第3部でこの物語は、シナモンによって語ら…

「ねじまき鳥クロニクル」書評④

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 13.加納マルタ・クレタ ① 加納マルタとクレタは同一人物 加納マルタとクレタは主人公の前にどちらか一方…

「ねじまき鳥クロニクル」書評③

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 9.顔のない男 「顔のない男」は無意識における主人公の人格です。ロビーの人間は「ワタヤノボル」の味方…

「ねじまき鳥クロニクル」書評②

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 5.猫(ワタヤノボル⇒サワラ) 猫の失踪が、この小説のはじまりであり全ての問題のきっかけになっています…

「ねじまき鳥クロニクル」書評①

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。(「羊をめぐる冒険」に対する言及があります。) それでは、「ねじまき鳥クロニクル」の書評をはじめます。…

「国境の南の南、太陽の西の西」

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。) (「国境の南、太陽の西」書評)はこちらをご覧ください。 (以下は、村上春樹「国境の南、太陽の西」の「誰かがやってきて、背中にそっと手を置くまで、僕はずっとそんな海のこ…