謎解き 村上春樹(感想・考察・書評)    (ネタバレあり)

村上春樹作品の謎解き(感想・考察・書評)(ネタバレあり)

「ノルウェイの森」書評①~「僕」サーガ序章!?

(目次に戻る)(初めてこのblogに来られた方は、まず目次をご覧ください。)

 

     激しくネタバレしています。「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊を巡る冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」への言及があります。

 

 さて、「ノルウェイの森」の書評を始めます。いや、なんで「ノルウェイの森」なんだよ、普通「風の歌を聴け」から始めるだろうという意見もあるかと思いますが、これには理由があります。 

前から疑問に思っていたんですが、「ノルウェイの森」の主人公って、「僕」4部作(「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊を巡る冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」)の主人公と同一人物ですよね?(ちょっと、自信なさげ。) 

だって、「1973年のピンボール」で「直子」という言葉が出てきます。だから、謎とかじゃなくて普通に同一人物だと思っていたのですが、誰もそれを指摘したり、同一人物であることを前提に語ったりしません。もしかして、作者がインタビューとかで公式に否定しているのでしょうか?(もし、ご存知の方がいらっしゃいましたらお教え願います。)

 

ただ、このblogを始めるにあたって「ノルウェイの森」を読み直したところ、この小説は最後の方で分岐しているのではないかと思いました。つまり、①単独の小説として終わるルート、②「ノルウェイの森」→「風の歌を聴け」に移行するルート、この2つの平行世界が存在しているのだと思われます。詳細については、後のエントリーで検討します。

僕「4部作」はこの②のルートです。「ノルウェイの森」の出来事が主人公の過去にあったことが前提でないと、僕「4部作」って意味がほとんどわかんないです。(特に「1973年のピンボール」。) 

 ということで、②ルートでは、「ノルウェイの森」が「僕」サーガの序章となりますので、「ノルウェイの森」の書評から始めます。

 

 (お読みいただきありがとうございます。感想等ありましたらコメント欄にコメントをお願いいたします。)