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謎解き 村上春樹(感想・考察・書評)    (ネタバレあり)

村上春樹作品の謎解き(感想・考察・書評)(ネタバレあり)

「ノルウェイの森」書評⑧~「ノルウェイの森」はファンタジー小説?

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     激しくネタバレしています。

 

前のblogで、かつて村上春樹は「ノルウェイの森」のキャッチコピーで「この小説は100パーセントのリアリズム小説です」というのを考えた後、「この小説は100パーセントの恋愛小説です」に変えたというエピソードを紹介しましたが、「リアリズム小説」と銘うっていても、例えば以下のようにこの小説を「ファンタジー小説」であるとみなす解釈も可能です。 

 

阿美寮の描写というのは、まるで現実世界から離れた異空間であるかのように感じますし、その寮の住人達も現実世界の住人ではないような感じがします。「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」をお読みの方は、「世界の終り」の世界のイメージを連想する方もいるでしょう。

また、阿美寮から外の世界に出た主人公は「少し重力の違う惑星にやってきた気」になり、翌日主人公と会った緑は「幽霊でも見てきたような顔してるわよ」といいます。

 

つまり、阿美寮とは異空間(冥界)であり、主人公は冥界へ降りていき、直子を救い出そうとします。そのままオルフェウスの神話どおりです。直子が現実世界で死んだのは、突撃隊が主人公に蛍を渡した場面あたりだと思われます。

阿美寮が冥界だとすると、あの世界の住人は皆死者ということになりますし、レイコさんも死者であるということになります。

 

以上のような解釈もできますし、いろいろな解釈が可能なのが村上春樹作品です。しかし、このblogではとりあえず「100%のリアリズム小説である」という解釈にそって解釈していきたいと思います。

 

 (お読みいただきありがとうございます。感想等ありましたらコメント欄にコメントをお願いいたします。)